Diary「深夜のオムレツ」 10月16日 土曜日. 「深夜のオムレツ」 深夜にオムレツを作った。 熱したフライパンで油を温め、割りほぐした卵を入れる。ジュッといい音が夜中のキッチンに響いて、それは卵の「冷蔵庫のなかのチーズやハ… Diary「深夜のオムレツ」
【エッセイ】春を祝福する、フルーツティー・ソーダみたいに よく行く散歩コースの桜並木も、見どころを迎えた。 桜は枝先からではなく、幹に近いほうから咲き始める。 なんとなく逆だと思っていたけれど、ゆったりと枝葉を伸ばした木々を見ていてそのことに気づいた。言われ… 【エッセイ】春を祝福する、フルーツティー・ソーダみたいに
【Works】Adjective.さん対談記事 岡山のデザインオフィスAdjective. さんのHPに、対談記事を書かせていただいています。 Adjective.さんは、私の初めてのリトルプレス『アイスクリームならラムレーズン』で、表紙デザインを… 【Works】Adjective.さん対談記事
【ZINE】MAGAZINE一服への寄稿 このたび、mao nakazawaさん編集長のMAGAZINE『一服』に、書き下ろしエッセイを寄稿させていただきました。 ポストカード特典つき¥500 「このマガジン一服 創刊号は主に、東中野コーヒー… 【ZINE】MAGAZINE一服への寄稿
【エッセイ】ホリー・ゴライトリーの名刺 七年前、初めて正社員として就職した企業で、名刺を与えられた。朝から晩まで働いて、時には休日も返上するようなクレイジーな職場だったけれど、当時はそれも楽しくって、なんとかやっていた。名刺には「コンサルタ… 【エッセイ】ホリー・ゴライトリーの名刺
【エッセイ】幸せがはじまったころ アルバイトをしていた美術画廊は、たっぷり一日中待ってもお客さんが来なかった。夕方五時に仕事が終わると、小川の流れる緑道を歩いて駅へ向かった。 暑い日は小川のせせらぎが耳に心地よく、寒い日… 【エッセイ】幸せがはじまったころ
【エッセイ】ロマンティックはつづく/Romantic Bites. 子どものころからあこがれていた人魚みたいなウェーブの長い髪は、就活にはそぐわなかった。 「髪を切れますか?」と聞かれて、つばを飲み込んで、「いいえ」と答えた。最終面接だった。不採用通知をくしゃくしゃに… 【エッセイ】ロマンティックはつづく/Romantic Bites.
【エッセイ】羽田空港、57番ゲート 「……により、20分遅れで出発となります」 やわらかな声のアナウンスが、とても重要なことを伝えたような気がしたけれど、まばらに座っている人々の後ろ姿は、微動もしなかった。透明なガラス窓の向こうに、冷や… 【エッセイ】羽田空港、57番ゲート
【エッセイ】独りよがりの夜明け(カラスの夢を見る) カラスたちが夜明け前に騒いでいて、私は目覚めのふちでそれを聞いた。 私は夕方見かけた一羽のカラスのことを思い出す。彼/彼女は水路の近くにゴミを引っ張り出していて、それには食べ飽きたのか、嘴でつついて、… 【エッセイ】独りよがりの夜明け(カラスの夢を見る)
【エッセイ】私は、無数の「#」と生きる 「家族」が分からなかった。 生物学上の家族は、父と母と妹。 でも、彼らのことを「特別な関係」とは思えなくて、それがずっと苦しかった。 育ててくれた両親には深く感謝もしているし、病気を克服した妹のことは… 【エッセイ】私は、無数の「#」と生きる
【エッセイ】Dear コンプレックス クリームたっぷりのケーキが目の前にある時、まだそれを口に入れてもいないのに、舌先に甘い味がとろける。 一輪の花が目の前にあるなら。 たとえば、バラ。 花びらはほんのりとマットで、枝葉はみずみずしく、棘… 【エッセイ】Dear コンプレックス
【エッセイ】東京は24:00 二十四時、携帯にLINEが届いた。秋から本社勤務になった元同僚からだった。写真を開くと、夜空に細長く伸びている、ブルーから白へのグラデーション。そういえば、スカイツリーの近くに住むと言っていた。 誰と… 【エッセイ】東京は24:00